杏(アンズ)の栄養と健康効果

まだある杏の栄養素

さて、杏(アンズ)には「ギャバ」も含まれています。「ギャバ」は一時チョコレートの含有成分として有名になったことがあるアミノ酸の一種です。これが杏の果肉にも含まれています。


リラックス効果があるが注目されている成分で、脳内の興奮を鎮める作用があり、平常心を保つのに有効な癒しの成分です。従って「ギャバ」は睡眠にも大きく関係しています。


もともと強いストレスがかかって興奮状態にあると、睡眠に入りにくくなるのですが、この興奮状態を抑制してくれるので睡眠に入りやすい環境になります。また、実は睡眠中に生成される成分なので、不足している人の場合は食事やサプリメントで摂取することが大切です。そうしないと悪循環に陥ります。


更に脳の血行を改善する作用があり、脳動脈硬化症にボケ予防についても効果が期待されています。血圧降下作用もあり、高血圧による脳卒中予防にも働きかけます。


そして、糖尿病患者の血糖値調整への効果も期待されています。杏は糖質消化酵素のグルコシアターゼの働きを強力に阻害して、糖質の消化吸収を抑制します。つまり、糖尿病患者の血糖値調整には効果があるとされているのです。


種は漢方薬になっています。種は「杏仁・キョウニン」と呼ばれていて、咳止めや痰を抑える生薬として効果があります。漢方処方にも使われています。


そして前項でも出てきた「干しあんず」ですが、これには体を温める性質があります。普段から毎日少しずつ食べる習慣があれば、冷え性が改善されるといわれています。更に、内臓の機能低下、発熱による腫れの抑制、喉の渇き、切れにくい痰などにも効果があるとされています。